林みのる最後の車造りとして自由気ままに楽しめるように自費での開発を決意した割には、あれやこれやと条件や制約が頻発してきて当初の予定からはかなりずれを生じてきていますが、いつまでも調整ばかりしていられないので開発をスタートします。
子会社を売却してまで成し遂げようとしたわがままなプロジエクトのはずでしたが、GTAからの要請に押し切られてGT300用のマザーシャーシへの流用を受諾したことから、当初は、ミッドシップのモノコックをFRでも使えるようにしてほしい的な話だったにかかわらず、だんだん不都合が露呈してくるにつれ童夢の設計陣も共用は難しいとか言い出し、100歩譲ってFRに一本化したところ、今度は、どうしても夏の終わりくらいにはシャーシがほしいという事になり、現状、GT300用シャーシを中心に開発が進んでいます。
設計陣としては、CFRPモノコックのレーシングカーですから我が意を得たりと張り切っていますが、内容的には、基本的な「ISAKU PROJECT」の主旨や目的をすっかりと忘れ去った本格的レーシングシャーシで、これでは、GT300用を「ISAKU PROJECT」が流用させてもらうような状況となってしまっています。
その上、レースに金を浪費しないことを主目的に社長を交代したにかかわらず、新社長の主導下、いつのまにやらの既成事実の積み重ねによるLMP1/2の開発が具体化してしまい、結局、そちらにも資金が流れざるを得ない状況になっています(内容の発表は6/1あたりとの事)。
思えば、童夢の黎明期、「童夢−零」の認証取得に燃えていたはずの童夢にルマン挑戦のチャンスが飛び込んできた途端に、全員がそちらに向いて走り出してしまったあの日の事を思い出しますが、童夢という人たちは、土台、レーシングカーしか燃えないようですね。
「ISAKU PROJECT」の話を始めると、「この忙しい時に・・・」的な雰囲気の中、やや、当初の方針を妥協的に変更しながら、開発をスタートします。
「DOME SPORTSCAR FACTORY」は「ISAKU PROJECT」の概要をお知らせする企画書です。参照してください。
>>>DOME SPORTSCAR FACTORY
「ISAKU PROJECT」PDF
株式会社童夢 特別顧問 林みのる
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