Apr.23.2005  4月21〜22日ポールリカール合同テストレポート 6



 

 

 


No.6 これがS101-Hbの実力
2日目午後、今回のテストの最後のセッションとなっても、童夢S101-Hbの優位は変わりません。午前中1分38秒529のコースレコードを記録したことから、JIM GAINER Internationalの童夢S101-Hbは、午後フルタンクによるロングディスタンステストに専念しました。もちろん様々なセットアップを同時に行いながらの走行ですが、コンスタントに1分41秒から1分42秒台で走行しました。
ペスカロロスポーツは、午前中エリック・エラリーが乗り組んでタイムアタックしたものの、道上龍の操る童夢S101-Hbから1.3秒遅れという、大差に呆れたのか、午後になると、話題のセバスチャン・ローブの練習走行に専念しています。
LMESスパ-フランコルシャンでのクラッシュのダメージが予想以上大きかったJOTAチームのザイテック04Sは、やっと新しいドライブシャフトと、クリエイションチームから借りたボディワークが到着したため、今日から走り始めました。しかし、1分40秒台が精一杯といったところのようです。
ヤン・ラマース率いるRacing for Hollandは、2台のLMP900バージョンのS101を持ち込みましたが、実際に走ったのは1台だけでした。2週間前のオレカチームのアウディR8がそうだったように、新たに義務付けられる小さなリストリクターに合わせて、低速域に焦点を絞ったテストを行っているようです。そのため、ポールリカールではあまり見られない大きなカナードウイングをノーズに取り付けて走行しています。
もちろん、未だ開発途上のようで、1分42秒台で走行しています。
テストメニューを順調に消化出来た場合、テストの最後でもう1度タイムアタックを試みる可能性もありましたが、ライバルとの差が1.3秒もあるため、あえて速さを追求する必要は無いとの判断から、テスト終了までロングディスタンステストが行われました。
やっと軌道修正され、本来想定したS101-Hbの実力を発揮出来るようになってきました。しかも、速いだけでなく、S101-Hbは、唯の一度もメカニカルトラブルでストップしていません。このことは、今後2ヶ月の間にS101-Hbを開発する上で大きなアドバンテージとなることでしょう。

レポート:鈴木 英紀