2008.Jun.02 LeMans TestDay Report 「ルマン・ホットライン」
私は岡山のサーキットで、DOME CLUBのスーパーFJのシェイクダウンに行って、FJドライブを体験しょうと思っていましたが、出発間際になってレーシングスーツが見つからず断念。ジムゲイナーの大久保君なんかが試乗するのを見ていましたが、その後、京都に帰ってからは、このライブ・レポートを肴に夜中までシャンパンを空けていました。シャンパン空けるほどの結果ではなかったけれど、かなり、ルマンのホスピで飲んでるような気分にひたれました。
林みのる
5/31
◇車検
リファレンスプレーン(メインアンダーパネル下面)に対し、フロントアンダー
パネル下面が少々下方にずれている点を指摘されましたが、リファレンスプレーン前方を下げる方向で調整し、再検査でOKを得ています。
が、この対処によりライドハイト基準がずれたため、どのような影響がでるか分析中です。
その他にも数点の指摘がありましたが、すぐに対処できるものでした。
◇重量
バラストなどで調整していますが、ルマンへ来てから色々と搭載機器を変更したため、明日に向けては完全なダイエットが完了しないので、重配が出来成りになってしまいます。
◇天候
本日は午後から雷を伴った豪雨となりましたが、明日も怪しい予報になっています。
・テストデースケジュール
09:00-13:00(日本時間16:00-20:00)
14:00-18:00(同21:00-25:00)
・ドライバーローティション
伊藤⇒立川⇒片岡
まず最初に義務周回数の10Lapを各ドライバーが消化、その後、セッティングを詰めるが、天候によっては早期にQFタイヤを試す予定です。
・セッティング
SPA結果を踏まえ、スプリング、ダンパーともセットアップし、低速時のグリップアップを狙っています。重配はほぼ基準値、ギアレシオは高めにシフトし、最高速を340km/hに設定しています。
6/19:24
9:00始まりました。現状では全コースに渡り雨はふっておらず、ドライ、くもり。
大輔が乗り2周。スリックを使いましたが一部WET路面が残っており、インターミディエイトに交換。
ウォータープレッシャーが低かったのでエアを補充しピットアウト。
10:03
大輔、前の車から出たオイルがスクリーンについて見えないと言いつつも規定の10ラップを消化しピットイン。立川に交代。ポルシェコーナーで小雨があり、念のためにWETタイヤでスタートします。
10:32
局所的な雨でタイヤ選択が難しい状態。
立川、5LAPの予定がオイルで前が見えなくなったと4LAPでピットイン。
タイヤをルマンならではの特殊なハーフWETに代え再スタートします。
スクリーンの汚れはクローズドの弱点のひとつ。
11:02
立川、規定周回10周をクリアしピットイン。
ハーフWETタイヤは全くグリップせず使えないとのコメント。
クラッチが不調とのことで、片岡へ交代前にエア抜きを行っています。
11:10
第1セッション残り約2時間。
雨は小康状態。コース状況が刻々と変化するなかタイヤ選定が非常に難しく、ルマン初走行のドライバーにはかなり過酷な状況が続いています。
11:41
片岡は連続10LAPの計画でスタート。
コースはフルウェット、無線交信を絶ちコースを覚えることに集中しています。しかし4LAP消化したところで赤旗中断です。
赤旗は、プジョー2台が大量のオイルを撒いたとの情報。時間がかかりそう。
12:17
セッション再開、残り45分。ピット付近の雨はやみ、北東の空には若干明るい部分が現れています。
12:22
アウトラップ、最初のストレートエンド、6速でギアがスタック、ダウンシフトできず。しかし片岡は6速のまま何とかピットに戻りました。
12:34
原因はすぐに判明、対策を施し、すぐにピットアウトします。
路面は回復方向にあり、インターミディエイトを装着。
残り26分です。
13:11
第1セッション終了。
片岡は規定周回+2LAPし、これで3名ともルマンオーソライズドライバーとなりました。
このまま雨が降らず、第2セッションがDRYであることを願っています。
14:36
第2セッション開始、くもり、ドライ、16度。
大輔、ドライタイヤで5LAP。タイムアタックに出ようとしたところで赤旗中断です。
計測3LAPは、38"前後で走行。
プジョー(22"出しました)の後ろについたが、離されるのは立ち上がりのみ。
ただし信じられないほど離されるとのこと。
小さいコーナーの切り返しがスムースでないので、スタビをアジャストし待機中。
14:43
赤旗中断中です。
14:51
14:44セッション再開。
14:50またもや赤旗。
ミュルサンヌあたりで雨になってきたようです。
15:05
赤旗はプジョー#7の大クラッシュ。
現在ドライバー救助で時間を要しているとのこと。
そうこうしているうちにまた雨が降ってきました。
15:15
現在のタイム
1
Peugeot
3:22.222
2
Peugeot
3:26.641
3
Audi
3:26.678
4
Peugeot
3:27.248
5
Audi
3:28.359
6
Pescarolo
3:33.939
7
Pescarolo
3:35.443
8
Oreca
3:36.264
9
Charouz
3:36.426
10
Audi
3:37.011
11
Dome
3:38.773
天候悪化を読んで、プジョー、アウディ勢は、すでにQFアタックを慣行したようです。
大輔によるタイムアタックに至るには、まだセッティングの詰めが必要ですが、雨がきつくなってきました。
15:25
完全なWETとなってしまいました。
WETタイヤで出ましたが、ストレートでも危ない状態と言って帰ってきました。
GT以外は、ほとんどピット待機せざるを得ない状況。
再びドライには戻らないかも。
16:21
雨がやみましたが、まだまだ路面に水が多いです。
あと1時間でドライになるかどうかわかりません。
大輔から立川に代わり、WETの慣熟的な走行を行っています。
17:14
雨は完全にあがり、晴れ間が出てきました。路面は急速に乾燥方向へ。
立川⇒片岡と代わり、ドライになるまで走ります。
ドライになれば再び大輔にNEWタイヤを履かせて、とりあえずタイムアタックします。
17:31
残り30分。大輔に交代しますが、タイヤはインターミディエイトです。
コースを下見しドライが使えそうになったらすぐに履き替える予定です。
という、予定をしていたら赤旗です。
17:49
グリーンになったものの小雨が・・・
時間がありませんが、コース下見を兼ね、とりあえずインターで出ます
18:03
終わりました。
最後、無理矢理スリックで出ましたが、ミュルサンヌで大雨。
何とか徐行でピットへもどってきました。
結局、第2セッションのちょっぱなの唯一のチャンスを逃したために、全くタイムアタックのチャンスがありませんでした。
これらの短いコメントの中に秘められている奥の想いを解析するに、「せっかく一生懸命速いマシンを造っても、ルマンの新参者使っていたら義務周回だけで終わってしまいます」という不満が込められていると考えられます。ドライバーについて協議している段階でも、性能評価も出来ないから、一人だけでもルマン経験豊富な速いドライバーを加えてほしいとしつこく食い下がっていました。以前のルマンでも、上下1億から予算が変わるのでミシュラン以外のタイヤをチョイスした時も、「最低4秒遅くなります」と言い残してモチベーションを失っていたようです。
AUDIなどは、初参戦に先駆けて他のGTチームに依頼してドライバーにルマン体験をさせたり、大金を投じて超一流ドライバーを集めたり、次元の違う取り組みをしていますが、私に言わせれば、彼らと同等の予算を使って互角に戦うのは当たり前なのだから、いろいろな悪条件を克服して互角に戦うという事に意欲を燃やすべきで、無いものねだりをしていても話は始まりません。
私たちは私たちで真剣に戦っていますし、この戦いをエンジョイしていますが、一方、全く同じ土俵で戦っていると思っている訳ではなく、「童夢なりの戦い」である事はご理解いただきたいと思っています。
林みのる
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