Nov.16.2001 「株式会社 童夢カーボンマジック」設立のご案内

童夢カーボンマジック、正面

オートクレーブ

上から

童夢カーボンマジック、正面
オートクレーブ


現在のレーシングカーは空力開発技術によってその性能が決まるといっても過言ではないほど空力は重要なファクターとなっていますが、その能力を充分に発揮させる為には非常に剛性が高く軽量のシャーシが欠かせません。
株式会社 童夢では、従来より空力とカーボンコンポジット技術の向上が、すなわちレーシングカー開発能力の要となるものと確信して、早くから独自技術の育成に努力してまいりました。
空力に関しては昨年の11月に完成しました50%スケール、ムービングベルト風洞実験設備「風流舎」の完成により、世界最高水準の空力開発技術は(もうほんの少しの経験を積めば)もう手中です。
一方、カーボンコンポジットに関しては、1985年にカーボンコンポジット・フレームの研究用に開発した実験用バイク「童夢DCF1」を皮切りに、炭素繊維メーカーの協力のもと、技術力の育成にたいへん力を注いでまいりました。
当時は、まだ炭素繊維メーカーが製造分野にも興味を持っていた時代ですから、自ずから童夢が設計を、炭素繊維メーカーが製造を担当するという役割になっていましたが、その後、炭素繊維メーカーは効率の良くない特殊部品の製造からは撤退していく方向となった為、童夢も徐々にレーシングカー用カーボンコンポジット部品の専業メーカーに製作を委託するようになって行きました。
そのうち、国内にいくつかあったこれらの会社の中で、特にレーシングカーが好きで、しかも技術力の向上に非常に意欲的であった「有限会社 ウィスカー」と特に密接な関係を築くようになり、童夢も惜しみなくノウハウを注ぎ込み、お互いの能力向上に相乗効果を上げてきました。
しかし、童夢は長らく業務の主力を研究開発とし、製造に関しては出来る限り協力会社を活用することを基本方針としてきましたが、ここのところのヨーロッパ進出などを契機にレーシングカーの量産も視野に入ってきた為に、開発スピードの向上や安定的な生産能力の確保、またコスト面での問題などから、どうしても内作の方向を選ばざるを得なくなってきましたので、この際、お互い気心の知れた、また、技術的信頼関係も厚い「有限会社 ウィスカー」を買収する形で子会社化することになりました。
これにより、開発、製造部門がより合理的かつ密接な関係で機能するようになり、今後、一層の技術開発競争の激化が予想されるこの分野において、常に先進的な技術力を開拓していく為の大きな支えになるものと期待しています。

「株式会社 童夢カーボンマジック」 会社概要

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