’00Dome-F3Driver
Sebastien Philippe


’00Dome-F3Driver
井出 有治

 
'00全日本F3選手権 Rd.1鈴鹿 サーキット
Sebastien Phillipは 予選2位 / 決勝1位
井出有治は 予選1位 / 決勝リタイヤ

'00 全日本F3選手権 Rd.1 鈴鹿サーキット・予選 (Mar.26.2000)
Pos.
No.
Driver
Team
Time
1
11
Yuji Ide F-DREAM ARTAF300
0'52.471
2
10
Sebastien Phillip Castrol MUGEN F300
1'59.222
3
2
荒 聖治 戸田無限ホンダF300
.

'00 全日本F3選手権 Rd.1 鈴鹿サーキット・決勝 (Mar.27.2000)
Pos.
No.
Driver
Team
Best
1
10
Sebastien Phillip Castrol MUGEN F300
1'59.222
2
3
Benoit・Treluyer Castrol Fujitsu-ten
1'59.435
3
9
Takesi Tuchiya Three Bond
1'59.471
 
 
 
'00全日本F3選手権 Rd.2筑波サーキットApr.8-9晴れドライ

予選
  午後1時40分、いよいよ予選セッションの開始である。セバスチャン、井出の両選手とも綿密なチーム戦略のため、早々にはコースインをしなかった。 待つこと10分過ぎ、予定どおり2台同時にコースイン。
井出は最初から好タイムを続けるセバスチャンを意識せずゆっくりと周回を重ね徐々にペースを上げていく。
アタック開始後のセバスチャンは、すぐにスーパーラップをマーク。井出もそれ以上の高タイムを叩きだし、トップに踊り出る。しかし残念ながらこのタイムは、この周回中、赤旗が出されていたために無効となった。
  井出はこの時点で3位だったが、予選終了まで諦めずにアタックを続け見事ポールポジションをゲットした。(晴れ・ドライ)

決勝
 ポールポジションからスタートの井出は好スタートを切りトッ プのまま1周目を終えるが、スタート直後のアクシデントにより赤旗となる。再スタートでも井出がトップをキープするが、再びアクシデントが発生し、セーフティーカーが入る。5周目、ローリングスタートによる再々スタートとなり、カートで鍛えたテクニック(井出・談)を使いコントロールラインを通する時点で他を大きく引き離す。レース中盤 までは少しずつ2番手以下に差をつける危なげない走りを見せ(19周目にベストラップ)優勝する。
  セバスチャンは2回のスタートとも失敗。再々ローリングスタートでも前車を抜くことは出来なかった。 終始3番手を単独走行してレースを終える。

野村エンジニアの総括
  前回鈴鹿ラウンドと異なり、事前テストを行わないで臨んだ筑波では、他チームと同一条件下で戦うレースとなり、真の実力を試される場となった。レースウイーク開始早々より、セバスチャン、 井出両選手はほとんどの時間、ラップモニターの上位3番手以内に名を連ね、時折他を圧倒する ような速さをみせる時さえあった。練習走行で順調な仕上がりを見せた両選手であるが、予選・決勝では井出が十分に実力を発揮したのに対し、セバスチャンは100%を出しきれていない様子であった。セバスチャンは前回鈴鹿に続き、筑波でも2回のスタートを失敗した。スタートとはじ めの数周がすべてと言っても過言ではないF3レースにおいて、スタートの失敗は致命的であ る。セバスチャン自身、ハード的な問題ではないと言っているが、ドライバーの技術以外に失敗を 引き起こす要因はないかを探る必要があろう。


'00 全日本F3選手権 Rd.2 筑波サーキット・予選
Pos.
No.
Driver
Team
Time
1
11
井出 有治 FドリームARTA無限
0'52.267
2
10
セバスチャン フィリップ カストロール無限F300
0'52.294
3
2
荒 聖治 戸田無限ホンダF300
0'52.358
4
9
土屋 武士 ThreeBond
0'52.405
5
7
黒澤 治樹 MTCI TOM’S F300
0'52.469
6
38
五味 康隆 芙蓉実業WAKO’S
0'52.487

'00 全日本F3選手権 Rd.2 筑波サーキット・決勝
Pos.
No.
Driver
Team
Total
1
11
井出 有治 FドリームARTA無限
43'01.989
2
2
荒 聖治 戸田無限ホンダF300
43'03.629
3
10
セバスチャン フィリップ カストロール無限F300
43'06.356
4
7
黒澤 治樹 MTCI TOM’S F300
43'11.357
5
32
富澤 勝 WAKO’SマエジマF399
43'21.471
6
17
佐々木 孝太 LIAN 戸田無限HONDA
43'21.911

     
'00全日本F3選手権 Rd.3富士スピードウェイMay,3-4

「田中監督より林みのるへの報告」
 今回の富士レースはトムス/トヨタの本拠地でもあり、昨年の汚名を返上すべく、童夢も無限もリベンジに燃えており、無限はニュースペックエンジンを投入し、我々も事前テストに向け、時間の許す限り風洞でのF300及びF399比較テストを実施、又昨年のF399走行データを徹底的に検証しました。その結果、昨年は加速区間、ストレートエンド、ブレーキングとすべてに渡ってトムス勢より劣っており、かなり広範囲な改善が必要であることが分かりました。
  まず、空力については、風洞データを見て驚きましたが、F300の基本的な空力特性はF399に比べ意外なほどドラッグが大きく、これは当方の思惑とはかけ離れたもので、後はバランスを維持しつつどこまでドラッグを削れるかが勝負となりました。
  サスペンションは、鈴鹿レース以後、さらにメカニカルグリップを上げるべく童夢開発エンジニアにコンピュータ解析等の協力を仰ぎ、低μの筑波コースでもかなりのパフォーマンスを発揮できましたが、富士用はさらにこの考え方を進化させたものでパフォーマンスには自信があり、事実、事前富士テスト後のデータから、各コーナーでの最低速度の向上とブレーキング距離短縮が計られていたことが解っています。
  しかしながらストレートエンドでのスピードは、風洞でのデータ通りF399比較2?3km/h遅いことも判明していました。
  レースウィークに入って初めてセバスチャンがレヒナー/トムスと一緒に走った後、ピットにかけこんできたセバスチャンが「スリップにも付けない、又立ち上りで置いて行かれる」と訴えたのと、少しアンダーステア気味だったので、リアのダウンフォースを絞り込み低ドラッグを計ると共にギアをショート方向へ変更しました。
  2日目の午後に再度レヒナーと遭遇チャンスがあり、今度はトップエンドでも加速区間でも遜色なかったようでセバスチャンも満足していたようです。この日の午前は、セバスチャンがUsedタイヤでトップタイムをマーク。午後全車Newタイヤによる直接対決は、セバスチャンのクラッチトラブルで翌日にお預け。この日はトムス勢が1位、2位独占となりました。
  公式練習でもセバスチャンは1位。本庄(中企)、黒沢と続き、レヒナーは0.5秒落ちの8位。しかしながらこのセッションでもレヒナーのストレートスピードには追いつけず、セバスチャンからトップスピードUPの要求が出ますが、これ以上のLessD/Fはブレーキング、コーナリング共に悪影響を及ぼす為、要求を我慢するように指示しました。 

5月3日:予選
  コースコンディション:晴れ、ドライ公式予選は最初のRunで27.7秒、この時点で2位。ピットインし路面が悪いのか「toomuchO/S」との事、タイヤ左2本交換と共にRrARBを調整しピットアウトさせました。この間にレヒナーがスリップを使い27.3秒で1位。セバスチャンはアウトラップ3周目に27.1秒をマークしてトップに立つと、その後ピットイン。
  何事かと聞くと、コースが混んでいて残り1分ではタイムアップしないし、タイヤをセーブしたかったとの事。前回筑波では予選中に興奮し自身をコントロール出来ず又自分の実力をも発揮出来ず悔しい思いをしたのが良い教訓となったようで、今回の予選は冷静な判断が出来る余裕があったようだ。  

5月4日:日時
 コースコンディション:晴れ、ドライ誰しもがセバスチャンのスタートを心配していました。我々としてはスタートから逃げ2周目ストレートでスリップにさえ入られなければその後は逃げきれると考えていたが、何しろ今までの全てのスタートを失敗している実績があるので油断はできません。
  心配はよそにセバスチャンはクリーンスタートで1コーナーへ消えました。今回、1stギアとクラッチストロークを変更したのですが、これが心理的安心材料にもなっているようです。1周目+1.0秒、2周目+1.1秒その後も差は広がらず、逆にトレルイエとのバトルを制したレヒナーが迫ってきて、ついに8周目ストレートエンドで抜かれますが、その後膠着状態が続く中で、セバスチャンがペースを上げて来て17周目1コーナーブレーキング競争に競り勝ちトップを奪回、その後もPushを続け+1.2秒リードし逃げ切りを果たしました。
  レース後半、Bコーナー出口のモニター映像からも両車の違いが鮮明に出ていました。レヒナーは明らかにリアが滑ってブレイクしており、セバスチャンは最初から最後まで姿勢変化に大きな変化はありませんでした。
  レース後、トムス山田エンジニアと少し話をする機会がありましたが、その話の中から私が考えるに、彼らはF300とF399の走行比較しか出来ず、F300のトップエンドスピードが低い為に、さらにLessD/Fに走ったもようで、事実、彼らのクルマは相当Fr上がりで、尚かつレース後の車検で見たところRrARBが強く張られていました。当然これではタイヤには厳しく、レヒナーがレース後、「タイヤが終わっていた」と表現していたのが解ります。
  片やセバスチャンは記者会見で「クルマはパーフェクト」と表現していました。F3で今回ほど風洞実験を繰り返し、データを何度も何度もチェックしたのは初めてです。風洞実験を重ねるごとに変化するデータを注意深く解析しましたが、実走との相関関係は若干キャリブレーションが必要ながら問題のない範囲です。25%スケールの風洞では持つものと持たないものとの差は僅かでしょうが、きっと50%の風洞が完成したら次元が違うんでしょうね。今から楽しみです。

田中弘


'00 全日本F3選手権 Rd.3 富士スピードウェイ・予選
Pos.
No.
Driver
Team
Time
1
10
セバスチャン フィリップ カストロール無限F300
1'27.158
2
1
R.レヒナ− TOYOTA TOM’S F300
1'27.326
3
7
黒澤 治樹 MTCI TOM’S F300
1'27.447
4
3
B.トレルイエ カストロール富士通テン
1'27.516
5
64
本庄 康幸 PIAA DALLARA 無限
1'27.548
6
20
峰尾 恭輔 TOYOTA DTM ダラーラ
1'27.915

'00 全日本F3選手権 Rd.3 富士スピードウェイ・決勝
Pos.
No.
Driver
Team
Best
1
10
セバスチャン フィリップ カストロール無限F300
1'27.818
2
1
R.レヒナ− TOYOTA TOM’S F300
1'27.739
3
20
峰尾 恭輔 TOYOTA DTM ダラーラ
1'28.046
4
2
荒 聖治 戸田無限ホンダF300
1'27.036
5
64
本庄 康幸 PIAA DALLARA 無限
1'28.036
6
11
井出 有治 FドリームARTA無限
1'28.101

 
   
'00全日本F3選手権 Rd.4美祢サーキットMay,20-21

「田中監督より林みのるへの報告」
 レース結果は1位レヒナー、2位セバスチャン、3位井出でした。
 スタートで井出が出遅れ、セバスチャンが1コーナーまでに2位にがり、その後レヒナー、セバスチャンの超接近戦が続きましたが、結局、抜くまでにはいたらず10〜11Lapと0.1秒差のスリップについたがかわせませんでした。このコースは普通はトラブルがない限りオーバーテイクは不可能ですから、今回は昨日の予選の失敗がすべてでした。
  FN予選1回目後にF3予選となりましたが、路面コンディションにDustyさはなく、ラバーグリップしそうに見えましたが、走り出してみると反対にヌルヌルした感じでグリップせず、ラップタイムも24秒台と低調でした。
  当初10分待ってから、14ラップ(7〜8ラップ+6〜7ラップ)のアタックを予定していましたが、冷たい風が吹き込んできたり、雲行きも怪しく、雷雨が来てもおかしくない状態ではありました。セバスチャンは5分過ぎからしきりに出て行きたいと催促しますが、予定通り待つように指示。しかし8分過ぎに再督促があり、あまり押さえつけてミスを誘発するのも嫌なので仕方なく出すことにしました。
  セバスチャンはこういう状況における心のゆとりといおうか、的確な判断力というようなものにやや難点があり、とにかくもうすこし冷静さがほしいところです。ライバル達と一緒に出て行って、もし、コースコンディションが悪化していってもライバル達とはイコールコンディションなんですから全く問題はありません。テスト中からの自分の速さを信じて、同じ土俵の上で素直に戦えばよかっただけです。最初のアタック6周目でピットイン。
  ヘアピンでミスした為に入ってきましたが、タイムが0.1秒づつ上がっていただけに惜しいミスです。ハンドリングはとの問いに「オンリータイヤチェンジ」。
  左2本交換後はバランスがとりにくくなってなかなかタイムアップせず、最終ラップに24.682秒の自己ベストラップを出すが3位。
  データロガーによると、この周の3コーナーからヘアピンまででドライバーのミスによるタイムロスが0.26秒発生しており、このチャンスにもドライバーのあせりが悪い方向に出てしまっていたようです。レースウィークに入って、木曜日0.5秒、金曜日0.2秒、公式練習0.3秒と常にレヒナーに対してリードしていたにも係わらず肝心の予選で23秒台の走りとなってしまい、大変に悔やまれる結果となってしまいましたが、今後のレースに向けて、セバスチャンの精神構造の改善と我々の指導力の強化を強力に推し進めたいと考えています。
  レース後の記者会見でセバスチャンは「木曜日、金曜日とチームが良いクルマを作ってくれたのに、昨日は自分のミスでポールが取れなくて、それが全てであった」と話していました。井出車については、先週のMINEテストでもリアグリップ不足を訴えていましたが、先日来、データーロガーから彼独自の走行バターンを解析してきた結果、新たな事実が明らかになりました。
  カート出身(現在もよくテストしている)特有の左足ブレーキを使う為、ブレーキング後、ハンドルを切り始めているにも係わらずブレーキ液圧が残っており、これではリアが滑るのも当然です。この走りに合わす為にセッティングはリアよりとなりますが、ところがこれでは出口で辻褄が合わずU/Sとなる訳で、少しずつドライバーの要求を満たして行くうちにマシンはとんでもでも無い方向へセットアップされてしまっていました。
そこで、公式練習前にセッティングを大きく変更することにしました。セバスチャン車よりメカニカルグリップが若干低いようなので、リアはほぼS.P車と同等、フロントは少し動きを抑え、ダウンフォースも少し多めにセッティングしたところ、公式練習ではセカンドグループに入ってきてトップとも急接近。
  なんと予選では6/100秒差の2位をゲット。レースでもファステストラップに5/1000秒差の2番手をマーク。我々が、この間違ったセッティングの方向に気づくのが遅かったという見方もできますが、今後、ドライバーとしての的確なフィーリング表現力と、最低限の現象分析能力を身に付けさせたいと考えています。

田中弘


'00 全日本F3選手権 Rd.4 MINEサーキット・予選
Pos.
No.
Driver
Team
Time
1
1
R.レヒナ− TOYOTA TOM’S
1'24.524
2
11
井出 有治 FドリームARTA無限
1'24.524
3
10
セバスチャン フィリップ カストロール無限F300
1'24.524
4
3
B.トレルイエ カストロール富士通テン
1'24.524

'00 全日本F3選手権 Rd.4 MINEサーキット・決勝
Pos.
No.
Driver
Team
Delay
1
1
R.レヒナ− TOYOTA TOM’S
*
2
10
セバスチャン フィリップ カストロール無限F300
-0.369
3
11
井出 有治 FドリームARTA無限
-2.481
4
3
B.トレルイエ カストロール富士通テン
-3.825

 
 
 
'00全日本F3選手権 Rd.5TIサーキットJun,10-11

「田中監督より林みのるへの報告」
 F3RaceRd5:TIの報告レース結果はレヒナーの2連勝、2位荒、3位セバスチャン、6位井出となりました。
  セバスチャンはスタート直後の1コーナーで、セバスチャン曰くではレヒナーがインサイドをブロックし つつ早目のブレーキングを行った為に、堪らずレヒナーのトランスミッションへ追突してしまいました。
  ノーズボックスとメインプレートに損傷を受け、その後セバスチャンはハーフスピンに陥り、その間に荒にパスされてしまいます。 自身のノーズとウイングの損傷具合が判らず恐る恐るドライブしていたのか、4ラップまでペースが上がらず、この間だけでもレヒナーに3.2秒も離されてしまいました。
  それでもやっと中盤以降になり、トップ2台と変わらないペースを取り戻してきましたが、どうもラップタイムが安定しません。
  後半に入ってやっと28.6秒台を連続してだすなど調子を取り戻しますが、序盤の遅れがあまりにも大きすぎて1位レヒナーから1.24秒遅れの3位となってしまいました。
  レース後、セバスチャンは「難しかった」と一言。追突直後はクルマが不安で少しずつしかプッシュ出来なかった。またターニングインでフロントが入らないのでタイムが安定しなかったと言うことなので、ターニングインの悪さがどのように起こるのか問いただしたところ、ブレーキを残しハンドルを切っていくとフロントが逃げると言うことです。
  29秒前後のラップタイムは非常にスローで、路面状況はかなりスリッピーであると考えられます。このような状況下で彼のブレーキバランスはFr55.5 〜56.0%位にセッテングされていました。理論上、タイヤに制動力が加わると横方向のグリップは減少しますから、故に彼のドライビングスタイルではフロントが逃げて当たり前といえます。 それなら直進状態でブレーキングを終えその後ステアリングを切りばとの問いに、それでは飛び込みがルーズになると言うので、じゃあ何故ブレーキバランスをRrへ1/2もしくは1ターン調整しなかっ たのか尋ねると、彼はその場で絶句していました。
  今回の敗因はスタート直後のアクシデントでは無く、今回もまた予選での初歩的なミスによりポールを奪取出来なかったことにあると思います。
  テストデーから順調にセットアップ゚が出来ており、木曜日3セッション共トップタイムをマークしていました。金曜日WET路面での圧倒的速さや、また公式練習でのレヒナーとの0.5秒のタイム差を考えても納得がいきません。(公式練習1位井出27.20"2位セバスチャン27.26"3位黒沢27.49"6位レヒナー27.72"全車Newタイヤ装着)
  セバスチャンはプラクティスではプレッシャーが無く平常心で走っているが、いざ予選となると俄然頑 張りだしてくだらないミスを誘発するタイプです。予選終了後も「notsobad」、「goodfeeling」と表現していましたが、予定のタイムが出せていないのも確かです。何故タイムが出ないのかをロガーで詳細に検証してみました。
  ラップタイムを公式練習のベストラップ1'27.26"(NewTyre)と比較すると、何とQFRun1ベストラップ 1'27.81"時に、レッドマンコーナーでのブレーキングで0.39秒ロスタイムがあります。公式練習時163km/hでの進入スピードが、QF時174km/hまで上がっており減速しきれずに左前タイヤロックさせた為のタイムロスです。さらにQFRun2ラストラップ1'27.71"時に、リボルバーコーナーのブレーキングでも同じミスにより0.26秒のロスタイムがあります。
  公式練習比較98.1km/hから107.4km/hヘ11km/h以上も上がっており、公式予選の両Run共ドライビングミスさえなければラップタイム1'27.42"で悠々ポールを奪取出来たはずです。
  また公式練習後フロントブレーキロックがあるとの報告を受け、ブレーキバランスを1%リア寄りとして予選に臨んでいますが、この公式練習でもベストラップ27.26"の次周27.30"時にレッドマンコー ナー飛込みで前周よりブレーキングを10m遅くし19km/h速く入り、減速出来ずブレーキロック0.29秒のタイムロスを犯しています。
  このように検証を行った結果、予選結果は午前中にニュータイヤのグ リップ感(コーナリング&ブレーキング)を確認しているにも係わらず、予選では同じニュータイヤの限界を超えた走りをしてしまったことが原因だと考えます。しかし、この問題を解決するにはセバスチャンのドライビングスタイルというか精神構造というかを変える必要があり、熱血的なフランス人にはちょっとすぐには無理かもしれません。
  過去5レース、我々の造ったクルマはテスト・プラクティス&予選において絶対的ラップタイムは他の追従を許しません。 但し、ドライバーミスさえなければですが。
  事実セバスチャンが冷静な時には全く問題ありません。彼がカァーと熱くなった時にギクシャクしたドライビングに陥ってしまい、つまらないミスが出てしまう ようです。確かに、我々の造ったクルマは性能の限界を追求するあまり、ややデリケートなことは確かで、しなやかでスムーズな走り方が要求されます。セバスチャンがドライビングスタイルを変えるか、こちらがク ルマをもっとルーズなセッテングに変えて行くか、次回スズカレースに向けての課題です。
  井出車は関係各位の要望にこたえテスト前日にモノコックを新品に交換しましたが、旧モノコックの疲労もラップタイムに大きな差がでるほどのダメージとは言えず、これにより井出のタイムが飛躍的に向上するとは考えられません。しかし、ニューモノコック投入による周囲の期待感はかなり高まっており、今回はブッチギリで当然 という雰囲気でしたが、練習に入り井出はセバスチャン対比ドライで1.4秒、ウェットで3.0秒も遅く全く話になりません。それまでのセッテングは井出の意見を中心に佐藤エンジニアがフォローする形で行っていましたが、仕方なく金曜日夜に佐藤エンジニアが、セバスチャン車のデーターを寸分違わずフルコピーしたセットアップに変更したところ、翌朝の公式練習では何と27.20"をマークしトップタイムをマークしました。
  ところが公式予選では朝より1.1秒遅いタイムで11位に埋没してしまったのですが、クルマは朝と全く同じセットアップでした。予選後のタイヤ内圧がセバスチャン車に比べ少し低かったようですが、それにしても1.1秒の差が 生じる程大きな問題ではなく、通常では理解できない状況にスッタフ一同やや困惑というところです。井出は今後はセバスチャンのセッテングのフルコピーで行こう等と冗談半分で言っていましたが、大きなチャンスである 今シーズン、もう少しクレバーでホットな走りを期待したいものです。

田中弘


'00 全日本F3選手権 Rd.5 TIサーキット・予選
Pos.
No.
Driver
Team
Time
1
1
R.レヒナ− TOYOTA TOM’S
1'27.556
2
10
セバスチャン フィリップ カストロール無限F300
1'27.717
3
2
荒 聖治 戸田無限ホンダF300
1'27.758
4
7
黒澤 治樹 MTCI TOM’S F300
1'27.869
11
11
井出 有治 FドリームARTA無限
1'28.340

'00 全日本F3選手権 Rd.5 TIサーキット・決勝
Pos.
No.
Driver
Team
Delay
1
1
R.レヒナ− TOYOTA TOM’S
1'28.787
2
2
荒 聖治 戸田無限ホンダF300
-0.283
3
10
セバスチャン フィリップ カストロール無限F300
-1.247
4
7
黒澤 治樹 MTCI TOM’S F300
-18.087
6
11
井出 有治 FドリームARTA無限
-21.105

 
 
 
'00全日本F3選手権 Rd.6鈴鹿サーキット(東SP)Jul,1-2

「田中監督より林みのるへの報告」
 今回のレースはフルコースから、急遽新設された東ショートコースに変更されました。
  ダンロップブリッジからデグナーの中間点でUターンし、130Rからシケイン間に戻る新ショートコースですが、従来のシケインが残る為に1コーナーまでは2速からの加速競争で終わってしまいます。
  勿論予選のようにラップタイムだけを争うのであればシケインの出口次第では0.1〜0.2秒は簡単にロスしますが、いざレースではオーバーテイクは不可能に近く、私が思うに、新ショートカットからシケインをパスしてダイレクトにホームストレートにつないだ方がもっとオーバーテイクチャンスが増え、エキサイトシーンが増える筈です。
  今ショートカットコーナーは横Gから切り返しながらブレーキングを行う為、ドライビン技術及びセッティング共高度なものを要求されており、もしシケインさえなければ、このショートコースはかなり面白いと思います。(セバスチャンはレース序盤、不思議なことに荒を1コーナー進入で抜きましたが、荒のミスかそれとも無限パワーの勝利か、何なんでしょうね)

  6/21-22日、新ショートコースにてテストを行いました。初日の午前中にセバスチャンはS字入口左コーナーで右タイヤを脱輪して、そのまま外側のバリアに左サイドから激突し、前後ウィシュボーン、コンプリートリアウイングを破損しました。しかしながらここでのクラッシュは珍しく、F1レースでの鈴木亜久里のよそ見脱輪によるクラッシュ以来ではないでしょうか。 セバスチャンも前車に気を取られての脱輪です。全く素人のようで話になりません。せっかく完璧なクルマがこれにより微妙なアライメント変化等が起ってしまいました。もっとも、本人も軽い脳震盪と2日目には首に痛みを訴えていましたが。
  2日間のテストを通じ最速は井出の1'03.15"、2位はセバスチャンの1'03.34"です。セッティングに関してはセバスチャンのセッティングで確認し、井出車にフィードバックする方式で2台共まずまずの仕上がりとなっていました。

  レースウィーク金曜日、午前走行ではテスト時のクラッシュによる後遺症を修復し、さらに小変更を施したセバスチャン車は好調で、トムス勢、荒らがNewタイヤを履く中、Usedタイヤで1位黒澤に遅れること0.03秒で2位。スロースターターの井出はまだ7位と埋没中です。午後セッションは午前に比べ路面が出来上がり、全車Newタイヤでのアタックの結果、1位本庄1'03.01"、2位セバスチャン1'03.21"、3位荒1'03.24"、6位レヒナー1'03.53"、8位井出1'03.70"となりました。
  走行後両ドライバーコメント及びロガーチェックを入念に検証した結果、彼らの要求したい事は、単に、前荷重の時にはリアグリップを、後荷重の時はフロントのグリップが欲しいだけで、要は常に前後共グリップしていなければならないという理想論であって、しかしながらクルマのセッティングは"あちら立てればこちらが立たぬ"というのが現実ですから、いかに自分が楽に速く走れるかという要求よりも、本来のドライバーの本分である与えられた情況の中で最善を尽くすという部分をもっと優先してほしい物です。その結果、限界部分での微妙なセッティングの差が勝敗を分けるような戦いが自動車レースの醍醐味と言えますが、当チームのドライバー達はまだまだ無いものねだりばっかりで、未だそのような理解力も学習能力も未成熟だと言えます。

  公式練習はFN走行後でしたが、今回のFN用タイヤはハードコンパウンドのためMINEのレース時のような路面とは異なり、埃だけが排除され単に路面温度が高い状況でした。
  セバスチャン車は前日比較、S字区間でのハンドリングが改善されるものの、1〜2コーナーにかけてはO/Sぎみで、セッティング変更の結果前日良かった所も相殺されてしまっていましたが、その後RrARBを調整し、トップタイムの03.76秒をマークしました。井出車も同じような状況でしたが、ブレーキング時の挙動は昨日より改善したとの事。
 
  公式予選は午前に比べ路面温度が4度低く、さらに路面も悪くないと判断しセッティングは変更しませんでした。Run1でセバスチャン02.90秒、井出03.09秒の1、2位ポジション。左2本交換後のRun2では路面が良くなり他者がタイムアップする中、セバスチャンはアウトラップ1周目03.05秒、タイヤにとってベストな次周に不運にも遅い車にひっかかり万事休すとなりました。
  井出もRun2ではタイムアップせず5位に止まりました。レースへ向けてのセッティング変更については、セバスチャン車は予選走行のままとし、井出車はリアがブレーキング時まだすこしナーバスとの事なので調整しました。今レースは、レースでのスタートが如何に重要かと再認識させるモデルケースのようでありました。

  ポール高木は無難なスタートでトップをキープ、片やセバスチャンはホイールスピンが多く加速せず荒にパスされてしまい、一方、クリーンスタートを切った井出は何と1コーナー飛込みで大外から2台抜きの素晴らしいいパッシングシーンを披露してくれました。1周目1位高木、2位井出、3位荒、4位セバスチャンの順位は変わらず、4周目1コーナー進入でセバスチャンが荒を捕らえ3位に浮上し、FastestLap1'03.83"をマーク、セバスチャンはその後井出の背後に付きますがパスには至らず、井出のペースに嵌ったまま淡々と周回を重ねるしかなく、トップ4台はそのまま順位を入れ替える事無くフニィシュを迎えました。
  我々の最大のライバルであるトムス勢、特にレヒナーはプラクティスから速くなく予選順位は8位、レースでやっと6位に入賞しましたがやはり鈴鹿は苦手なんでしょうか?優勝したインギングの高木車はレスダウンフォースでストレートも速く、モニターで見る限りシケインからの加速も素晴らしく完勝でした。

田中弘


'00 全日本F3選手権 Rd.6 鈴鹿サーキット・予選
Pos.
No.
Driver
Team
Time
1
1
高木 真一 ペプシPiPit F399
1'02.881
2
10
セバスチャン フィリップ カストロール無限F300
1'02.904
3
2
荒 聖治 戸田無限ホンダF300
1'02.991
4
7
黒澤 治樹 MTCI TOM’S F300
1'03.055
5
11
井出 有治 FドリームARTA無限
1'03.091
6
1
R.レヒナ− TOYOTA TOM’S
1'28.787

'00 全日本F3選手権 Rd.6 鈴鹿サーキット・決勝
Pos.
No.
Driver
Team
Delay
1
1
高木 真一 ペプシPiPit F399
*
2
11
井出 有治 FドリームARTA無限
-1.801
3
10
セバスチャン フィリップ カストロール無限F300
-2.634
4
2
荒 聖治 戸田無限ホンダF300
-3.192
5
7
黒澤 治樹 MTCI TOM’S F300
-8.991
6
1
R.レヒナ− TOYOTA TOM’S
-10.822

 
 
 
'00全日本F3選手権 Rd.7菅生RCJul,29-30

「田中監督より林みのるへの報告」
 今回の菅生に向けての事前テストでは、セバスチャン、井出ともに好タイムをマークしており、レースに向けてかなり 期待できる状況と思われました。ただ、唯一の不安は、テストの2日目に最終コーナーで井出がクラッシュしてしまったことです。クラッシュの直接の原因は井出がラバーグリップ路面からラインを外れタイヤ粕に乗ってそのままアウト側へ飛び出した為です。
  セバスチャンと井出は同じ基本セッティングでスタートしたのですが、2日目より、井出の要望取り入れ、実走行で本人に体験さす目的からセッティングを変えていった。しかしながら、路面状況がどんどん良くなって行く中、通常、アンダー傾向になっていくのにも係わらず、井出はリヤのグリップにナーバスになり、どちらかというとよりアンダーとなるようなセッティングにこだわりつづけました。その結果、終盤にはセバスチャン車とかなり異なるセッティングとなっており、その2台が同じようなタイムで走っている訳ですから、結果的に井出は飛び出てしまったと言うわけです。
  菅生のレースウィークでは井出のセッティングを、セバスチャンの最終的なセッティングと全く同じ ように変更することとします。

7月28日(金曜日)練習走行
  毎年、菅生のレースは暑さとの戦いでもあるのですが、 この日は最高気温27度と比較的過ごしやすい天気でし た。これはセッティングにもおおいに関係してくることです。
  午前中1回目の走行ではセバスチャンは1分21秒33、 井出1分22秒19、トップは黒澤治樹選手の1分20秒74でした。セバスチャン、井出ともにかなり走った中古タイヤでの走行だったので、その分の差ということでしょう。 ただ、井出はセバスチャンのコピーセッティングに関しては好みとは違うので多少戸惑っていたようで、それがセバスチャンとのタイム差に出たものと思われます。
  午前中2回目の走行、トムス勢は早くもニュータイヤを投入してのタイムアタックを行っていました。そのため、最大のライバルであるレヒナー選手が1分19秒82とトップタイムをマーク。セバスチャンは中古のなかでも比較的程度のよいもので1分20秒09の2番手のタイムをマークしました。井出は中古で1分22秒20と10番手のタイムでした。 午後1回目の走行で、黒澤選手が1分20秒54でトップタイム。レヒナ‐選手も20秒90をマークしていました。 セバスチャンは、このセッションで今までとは違う方向性のセッティングを試みましたが、これがあまり良くなく1分21秒12のタイ ムで5番手でしたので、すぐにこのセッティングはやめることにしました。井出もまだニュータイヤを履いておらず、このセッションも1分22秒56のタイム。多少、本人も焦りが見えていましたがタイヤの状況を考えればそれほど焦る必要 はないと見ていました。
  最後のセッション前に雨がかなり降ってきたため暫く走行を見合わせ、小降りになったところでコースインさせました。雨の得意なセバスチャンはウェット路面で他のクルマを1秒もブッちぎる速さを見せてくれました。雨でも死角なし、レ ースに向けて万全の体制と思われたのですが・・・。
 
  7月29日(土曜日)
  朝の公式練習では何とセバスチャン、井出がコースレコードをマークしての1,2位のタイムを マークしました。昨日の走行では10位辺りに埋没していた井出ですが、土曜日の公式練習では走り始めから速く、4周目には1分20秒850のその時点でのトップタイムをマーク。後半、ニ ュータイヤを付けて、計測1周目で1分19秒619のコースレコードをマークしてしまいました。セッティングも金曜日とまったく変わってはいないのにこの変わり方。まったくこのクラスのドライバーを速く走らせるにはセッティング以外でのメンタル面でのウェイトが高く、データ化できない分やっかいではあると再確認させられました。
  井出に刺激されたかセバスチャンも最後の最後で1分19秒5というタイ ムをマーク。無限・童夢がワン・ツゥを飾りました。午後の予選セッションまでにセッティングは一切いじらず。しかし、路面状況がかわったのか、ドライバーに言わせるとハンドリングが一変してしまったということでした。
  セバスチャンはアンダーステアだと言い、井出はグリップが足りないというコメントでしたが、他のマシンのタイムを見る限り、トルルイエ、黒澤、荒らは朝よりもタイムアップさせており、それほど路面状況が悪くなっているとは思えませんでした。唯一、路面温度が31度から39度まで上がっていたのが午前と大きく異なるところで、我々のクルマが環境に影響されやすい部分があるのかもしれません。
  ただ、ドライバ ー二人にもミスはありました。ロガーを見る限りセバスチャンに関してはいつもの悪い癖が出て朝と全く走り方が違っていたのです。特に最終コーナーは明らかに突っ込みすぎで、そのために途中でアクセルを全閉としてしまうため姿 勢変化が大きく、オーバーステアを誘発するような状態となっていたようです。それを本人のコメントではアンダーと言いはっていたのも不思議ではありますが。
  もともとセバスチャンは予選になると興奮状態となり、いわゆる頑張りすぎる傾向にありましたが、それが菅生でも思いきり悪い方向に出る結果となってしまいました。井出に関しては完全な戦略ミスだったと思われます。当初よりワンアタックの作戦を取ったのは途中赤旗が2回も出ていたのを考えれば結 果的に当たったといえるでしょう。トルルイエもその作戦だったのを見れば間違いありません。ただ、井出はコースインして3周ゆっくりとタイヤを暖めていましたが、トルルイエは3周目にベストタイムを出してきているのです。
  夏のこの時期、タイヤも温まりが早くその分グリップダウンも早いのでタイヤのグリップが一番良くなるのは2〜3周目位なのですが、それを冬場と同じようにアウトラップを含めて3周も温めていた井出の戦略ミスだと思われます。とりあえず予選では伏兵とも言えるトルルイエにポールを奪われてしまいました。セバスチャンは4位、井出に至っては8位という有様です。
  不幸中の幸いはレヒナ‐選手も6番手と落ち込んでいたことでした。

  7月30日(日曜日)
レースのセッティングでは井出は予選と同じ、セバスチャンの方は若干フロントのダウンフォースを減らしました。これはレーススタート時に路面温度が43度もあり、テストデータからするとリヤグリップ不足になる傾向があったため、そ れによるオーバーステアを嫌ったためです。しかし、それにしても毎回井出のスタートの良さには驚かされます。今回もスタートで3台をかわし1コーナーまでに5位に上がってきました。ロガーで見ても、理想的な加速データを示してお り、この部分では脱帽ものです。しかし、悲しいかな予選順位が悪く、一発の速さを極めればレースの結果も代わってくると思うのですが。
  セバスチャンのスタートはまあまあというところでしたが、セーフティカーが入った後の再スタート にはあきれてしまいました。最終コーナーで前を10メートルほども空けてしまって、これでは最大の抜きどころなのに自らチャンスを放棄しているようなものです。さらに最終コーナーも相変わらず遅く、後ろの井出に軽々と追いつかれてしまう程でした。
  レース後のコメントも相変わらず「アンダーステア」ということです。対し、井出は最終コーナーに関しては「オーバーステア」だったと答えており、この点では井出の方が正しいように思われます。結局、セバスチャン は予選順位どおりの4位、井出もスタートで唯一抜いただけの5位でレースを終える結果となりました。
  チャンピオンを奪回するにあたって重要な菅生レースでしたが、今回もまた この数レースと同じパターン、即ち公式練習ではトップタイムながら肝心の公式予選において結果を出せないと言う最悪のシナリオでした。
  監督の立場から今回菅生レースを考察した結果はマシンの仕上がりには 十分な手ごたえがあった。 路面変化にもテストを通じ十分に対応出来てお り問題はない筈。 隋一我々が管理出来ないのはドライバーの心理状態のみ。事実セバスチャンはテストでは何の問題もなくタイムを出すが、いざ予選となると平常心を 無くしコントロール出来なくなる。 さらにセバスチャン、井出共に運転技術の一部で誤りがあり改善の要求を行っているが、なかなかできない。この点を重点的に、もてぎテストで反復練習を行いつつそれに対応するセットアッ プを見出す予定です。

田中弘


'00 全日本F3選手権 Rd.7 スポーツランド菅生・決勝

Pos.
No.
Driver
Team
Delay
1
1
高木 真一 ペプシPiPit F399
*
2
11
井出 有治 FドリームARTA無限
-1.801
3
10
セバスチャン フィリップ カストロール無限F300
-2.634
4
2
荒 聖治 戸田無限ホンダF300
-3.192
5
7
黒澤 治樹 MTCI TOM’S F300
-8.991
6
1
R.レヒナ− TOYOTA TOM’S
-10.822