Jun.03.2007  2007 LeMans TestDay Report2







 


 昨日車検を終了した、P1バージョンのRacing for Holland童夢S101.5/Juddに続いて、今日T2Mが走らせる、P2バージョンの童夢S101.5/Maderがスポーツカーレースファンの前に姿を現しました。人目を惹く黄色いカラーリングによって、たちまち人だかりが出来ました。
 今年T2Mが走らせる、P2バージョンの童夢S101.5は、P1バージョンをベースとして作られました。大きなジャド5.5リットルV10エンジンは、コンパクトなMader3.4リットルV8エンジンに交換され、2インチ狭い幅14インチのタイヤを履くことが大きな違いです。

 日本では知られていないMader3.4リットルV8は、GP2で使われているメガクロームV8をベースとして新たに開発されたエンジンです。現在メガクローム傘下にあるマーダーによって、デリバリーされました。
 古いレースファンの方々であれば、1980年代序盤F2レースを舞台として、ホンダV6に挑戦したハイニ・マーダーBMWを覚えているでしょう。そのハイニ・マーダーが現在手がける最新型エンジンです。

 昨日RfH童夢S101.5/Juddが車検を行っているため、大きな問題もなくT2M童夢S101.5/Maderも車検を終了しました。
 T2M童夢S101.5/Maderは1ヶ月前に走り始めたばかりで、現在急ピッチで開発が行われています。先週もT2Mの拠点である、フランス南部のアレスでテストを行っています。このテストの際、パドルシフトの最終確認が出来なかったため、車検終了後、サルテサーキットの横(ホームストレートの向い側)にあるルマン空港の滑走路を使って、パドルシフトのチェックを行うこととなりました。
 T2Mだけでなく、アウディやクラージュも同様であるらしく、ルマン空港では、場違いなLMPカーが次々と登場したことによって、居合わせた搭乗客を驚かせることとなりました。

 今年T2Mチームは、既にロビン・ロンジェシェルと山岸大と契約しています。3人目のドライバーが決まっていませんが、明日はミスタールマンこと寺田陽次郎が、乗り込むこととなりました。ルマンの決勝レースについては、今後T2Mから発表されることでしょう。
 そのため、3人のドライバーが顔を揃えましたが、滑走路を行ったりきたりして、ギアチェンジを行うだけのテストであるため、ロビン・ロンジェシェルが乗り組んで、テストが行われました。

 エンジンを担当するマーダーのエンジニアと、パドルシフトを担当するイアン・フォーリーがチェックした後、飛行機が離陸する時と同じように、空港の誘導車に先導されて滑走路に入ると、走行を開始しました。マーダーV8は1,0500回転で480馬力を発生します。かん高いエンジン音を響かせて、ロンジェシェルは走り出しました。たった1台しか走っていませんから、シフトチェンジの音がハッキリと聞こえます。数回往復した後、一旦戻ってエンジンとパドルシフトの双方のデータを照らし合わせてチェックを行い、再び細かなセッティングを行うため、走行しました。このような作業を数回行ってテストは終了しました。