現在のサルテサーキットを速く走るポイントは、ユノディエールの3つ、ミュルサンヌからインディアナポリス、そして、アルナージュからポルシェカーブまでの5つのストレートを速く走ることと、ポルシェカーブからメゾンブランシェの高速コーナーを速く走ることでしょう。 今年ユノディエールの起点であるテルトルルージュが斜めに改修されて、より高速でクリア出来るようになったことから、さらにストレートでの速さがポイントとなってきました。
先週行われたテストディの際、Racing for Hollandが走らせるS101.5は、よりローダウンフォースとしても、ポルシェカーブやメゾンブランシェで速さを発揮出来ることが明かとなりました。そのため、セッション終了直前、よりローダウンフォース/ロードラッグの空力パッケージとしてタイムアタックを行う予定でしたが、赤旗によって実現しなかったのは、先週のレポートで公表した通りです。
実戦的なセッティングを追求するため、テストディの後、我々は風洞実験を予定していました。当然のことですが、テーマとなったのは、より効率的にロードラッグを実現することでした。 正確に言うと、現在でも空力開発チームは、米原の風流舎で風洞実験を続けています。非現実的にダウンフォースを減らしてしまうのであれば、驚異的なロードラッグを実現することも可能です。しかし、ポルシェカーブやメゾンブランシェでの速さを維持するのであれば、ある程度のダウンフォースは必要です。慎重に風洞実験を繰り返した結果、テストディのS101.5の空力パッケージから、セッティングの範囲でも、7%以上ドラッグを削減することが可能であることを確認しました。
7%ドラッグが減るのであれば、驚異的な340km/hを超える最高速度をユノディエールの1つ目のシケイン手前で記録することとなるでしょう。しかし、ポルシェカーブやメゾンブランシェでの速さとのバランスを取らなければなりませんから、慎重にダウンフォースとドラッグのバランスを検討するための風洞実験が行われています。 既に最良と思われる空力パッケージは見出して、現在は細かなシュミレーションを行っている段階なのですが、ライバル達に手の内を知られるたくないため、どれくらいダウンフォースを減らして、どれくらいのロードラッグとしているのかは、もう少し秘密とさせてください。
もう一つ先週とは違がうことがあります。予定通り新しいボディカウルがルマンに到着しましたが、これらのボディカウルの中で、フロントカウルとサイドカウルは、日本の童夢カーボンマジックではなく、タイの童夢コンポジットタイランドで作られました。童夢コンポジットタイランドで作られた最初の高度なレーシングカー用パーツです。しかし、これまでのテストの結果を盛り込んで作っていることもあって、従来のカウルと比べると、ほんの少しですが軽く完成しています。 そして、写真で明かなように、新しいボディカウルには、これまでと違った新しいカラーリングが施されました。 ニューカラーリングのS101.5の真価は、明日午後7時から行われる1回目の予選で明かとなることでしょう。
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