Sep.09.2007  2007 AUTOBACS SUPER GT Rd7 MOTEGI GT 300km RaceReport3
No.18 TAKATA童夢NSXが、苦悩の末今季初優勝










 天気予報の通り、もてぎは暑い日曜日を迎えました。今年No.18 TAKATA童夢NSXは、何度も悔しいレースを行ってきたため、チームの誰もが、少々神経質になっていました。そのため、朝行われたフリープラクティスの際、ドライバー達は、ギアチェンジがし難い兆候を感じました。しかし、何ら不具合は見つからなかったため、慎重にシフトチェンジを行うことを確認して、決勝レースに臨むこととなりました。

 午後2時、ポールポジションのNo.18 TAKATA童夢NSXを先頭にして、決勝レースがスタートしました。小暮卓史は、見事トップのまま1コーナーへ進入しました。2番手のスターティンググリッドからスタートしたNo.38 トヨタSCは、しばらくの間2秒から3秒の間隔で、No.18 TAKATA童夢NSXを追走しましたが、周回遅れに追いつく頃になると、その差は開き始めました。心配されたトランスミッションは、チームが神経質になっていたため、気にし過ぎていただけであるようです。そのため、小暮卓史に操られたNo.18 TAKATA童夢NSXは、ファステストラップタイムを記録しながら、トップを快走しています。

 6番目のスターティンググリッドからスタートしたNo.8 ARTA NSXは、ラルフ・ファーマンに操られて、7位争いを展開しました。1段階小さいリストリクターと50kgのハンデウエイトによって、どうしても、コーナー立ち上がりに遅れてしまいます。ラルフ・ファーマンが頑張りますが、しばらくすると、8位に順位を下げてしまいました。
 そのため、リアタイヤ2本だけを交換する作戦によって、短いピットインによって、上位を目指すこととなりました。
 しかし、新しいリアタイヤと前後のバランスを取るには、フロントタイヤのライフが残っていることが条件となります。つまり、早めにピットインを行わなければなりません。そのため、25周終了後、No.8 ARTA NSXはピットに入ってきました。ドライバーをラルフ・ファーマンから伊藤大輔に交代、リアタイヤ2本だけを交換して、29秒8の短いピットストップでレースに復帰しました。

 トップを快走するNo.18 TAKATA童夢NSXも、状況次第ではリアタイヤ2本だけを交換する作戦を検討していました。しかし、小暮卓史が充分なリードを築いたため、長めのピットストップとなっても、大事を取って4本総てのタイヤを交換することとなりました。
 そのため、30周終了までピットインを遅らせて、小暮卓史はピットインしました。燃料補給、ドライバーを道上龍に交代、4本総てのタイヤを交換して、42.6秒のピットストップとなりました。
 しかし、それまでのリードが大きかったことから、No.18 TAKATA童夢NSXはトップのままレースに復帰しました。

 ギアの入り難さは、ほとんど気にし過ぎたためだけのようです。最後の10周程度、2番手を走るNo.38トヨタSCとの一騎打ちが予想されました。その時の闘いに備えて、タイヤを温存するため、道上龍はタイヤを労って、ペースを落として走行しました。
 2番手で追いかけてくるNo.38トヨタSCとの差が2秒や3秒まで縮まらない限り、道上龍はペースを落とすこととして、NO.38トヨタSCとの間隔をコントロールしながら走行しました。

 道上龍が操るNo.18 TAKATA童夢NSXが、トップを快走している頃、伊藤大輔が操るNo.8 ARTA NSXは、5位を走るNo.23ニッサンZを追いつめました。43周目130Rで伊藤大輔はNo.23ニッサンZの横に並びました。そのままS字に入って、S字の1つ目のコーナーで前に出ました。ところが、既に抜かれているにも関わらず、No.23ニッサンZはNo.8 ARTA NSXの右リアへ追突してきました。堪らずNo.8 ARTA NSXはスピンしてしましました。
 直ぐにレースダイレクターは、No.23ニッサンZに対して、ピットスルーのペナルティを科しました。しかし、このアクシデントによって、No.8 ARTA NSXの上位入賞は絶望的となりました。

 しかし、このままノーポイントで終わる訳にはいきません。そこで、ニュータイヤに交換してファステストラップを狙うこととなりました。
 1段階小さいリストリクターを装着して50kgのウエイトハンデを積むNo.8 ARTA NSXにとって、少々の分の悪い作戦ですが、伊藤大輔は果敢にファストストラップに挑戦しました。
 その時点でのファストストラップタイムは、No.18 TAKATA童夢NSXが記録した1分47秒437でした。果敢に伊藤大輔は挑戦しましたが、自己ベストの1分48秒617を記録するのが精一杯でした

 道上龍が、間隔をコントロールしていましたが、No.18 TAKATA童夢NSXとNo.38トヨタSCとの間隔は、7秒程度に縮まりました。ところが、残り6周となる57周目、バックストレートを立ち上がったNo.38 トヨタSCは、煙を上げてストップしてしまいました。エンジンか駆動系のトラブルのようですが、直ぐにドライバー降りてしまいました。
 No.18 TAKATA童夢NSXを追うライバルの総てが姿を消しました。
 63周を走りきった道上龍は、ピットウォールに鈴なりのメカニック達に出迎えられてチェッカードフラッグをかいくぐりました。
 ご声援ありがとうございました。

優勝 No.18 TAKATA童夢 NSX 63Laps 1時間56分35秒569
4 No.32 EPSON NSX 63Laps 1時間57分43秒524
7 No.17 REAL NSX 63Laps 1時間57分50秒231
12 No.8 ARTA NSX 60Laps
***以上完走***
R No.100 RAYBRIG NSX 9Laps アクシデント