はじめに

炭素繊維複合材料 CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)は鉄よりも軽くて強いという特徴から、21世紀に入り自動車、航空機をはじめとする様々な乗り物や道具に用いられています。
特に軽量化については自動車や航空機の燃費の向上を促進するため、CO2の削減効果が高く地球温暖化が叫ばれる現代では、企業によっては軽量化という観点からこの問題に取り組んでいる企業もあります。
しかしながらCFRPは生成時に大量のCO2が排出されており、またリサイクルの難しさ、更には石油由来の材料である為、いずれ枯渇する可能性もあるという問題点を抱えています。
本提案はCFRPのパフォーマンスを維持したままで、サスティナビリティを考慮したモノづくりを推進することが可能になる炭素繊維プリプレグに代わるハイパフォーマンスでサステナビリティなコンポジット材料”Bcomp”のご紹介になります。Bcomp Ltd. official web site

*CFRPにより日本国内の乗用車を30%、旅客機を20%軽量化した場合、 CO2の削減効果は2200万トンこれは、2006年の日本国内CO2総排出量(13億トン)の約1.5%に相当するといわれております。

Bcomp社の材料の主成分である亜麻(フラックス)は、主にヨーロッパで栽培されているアマ科の一年草のことです。 亜麻栽培は肥料や農薬などを、ほとんど使用することなく、自然の摂理を利用したシンプルな工程で、何千年も前から続くサステナブルな農業を続けています。また、生成時にCO2の排出が無く、成形後の製品も焼却可能な為、地球環境への負荷は全くと言ってよい程ありません。 主成分の亜麻(フラックス)は引張強度は炭素繊維には及びませんが、Bcomp社の織物材料であるampliTexと、網状の材料であるpowerRibsを併用することで、CFRP品と同等の剛性感を維持したまま更なる軽量化が可能になります。 また、振動減衰性はCFRP品より優れており、クラッシュ時に破片が飛散するのを防げる為、欧州ではモータースポーツにおいて材料置換が進んでおります。

ampliTex+powerRibs併用時メリット

①CFRP品と同等の剛性感を維持したまま更なる軽量化が可能。
②振動減衰性はCFRP品より優れる。
③クラッシュ時に破片が飛散するのを防げる。
(CFRP製品のように脆性破壊を起こして破片が飛散することがない)
④生産から廃棄迄の全工程での地球環境への負荷が殆ど無い。

ダンパーカバーにBcomp社材料を採用

童夢では、欧州のモータースポーツ業界でCFRPからの材料置換が加速度的に進んでいるBcomp社の麻繊維材料を国内樹脂メーカー協力のもと、国内でプリプレグ化に成功。2020年に開幕したフォーミュラリージョナルで日本国内レース初採用。車両はダンパーカバーの下にGPSを配置しており、該当部分を炭素繊維から麻繊維材料に変更することで電波遮蔽を防ぎました。

Material Property

童夢プリプレグ物性表

剛性-振動特性グラフ

Bcompプリプレグ販売開始のご案内

今後数年内に、国内のモータースポーツでの採用がレギュレーション化されることが予想されるBcomp材料を調査分析したところ、モータースポーツ業界で採用されているampliTexの90%近くがampliTex品番5040であることが判明。童夢では品番5040を国内樹脂メーカー協力のもとプリプレグ化し、Bcomp社とのパートナーシップにより、弊社にてBcomp材料の販売が可能となりました。 Bcomp社公認の上、品番5040のプリプレグ材料以外にも、樹脂含浸のされていない生機(きばた)や、パワーリブのご注文も承っております。お気軽にお問い合わせください。

ampliTex 5040

綾織2/2 縒り無し w1000mm 目付300g/㎡ 繊度300tex

お問い合わせ

E-mail:info_composite@dome.co.jp TEL:0749-52-3232