風流舎

風流舎 / DOME TUNNEL

童夢の空力開発は、最初の作品である※1)スーパースポーツカー“童夢-零”より連綿と続く、風洞実験に基づく空力性能を重視した開発手法が特徴であり、その空力に対する深い造詣は、技術的なアドバンテージを支える重要な要素となっています。
童夢では、創業以来蓄積してきた風洞実験ノウハウと風洞設備の自社開発並びに運用経験に基づき、シャシー開発で培ったコンポジットテクノロジーも随所に活かして、理想的な自動車用模型風洞実験施設として滋賀県米原市に建造したのが、50%スケールの風洞実験施設「風流舎」です。
全長99mの水平回流式ゲッチンゲン式の、自動車用模型風洞実験施設としては国内最大規模の設備内容を誇ると共に、レーシングカーコンストラクターである童夢のレーシングカー開発、また、近年の自動車の電動化を始めとした、新しい時代の空力・デザイン開発に、更なるアドバンテージをもたらすように考慮した設備となっています。
また、CFDを併用することで空力開発の効率化を図ると共に、空気の流れを実際に視覚的に分析することで、設計改善に直結する情報が得られるため、競争力のある空力開発において極めて重要な手段として活用することができます。
さらに自動車に留まらず、オートバイ、※2)競技用自転車、競技用車いす、ドローン等にも対応可能なフレキシブルな施設であり、幅広いモビリティ分野の空力開発に貢献します。

■主送風機

600kwの軸流ファンにより、60m/sまでの運転が可能です。​動翼をカーボンコンポジットとすることで、起動時・停止時のレスポンス向上と​騒音の低減を実現しました。

風流舎

■風管

管路長99mの水平回流式とし、設備すべてを屋内に配することによって​安定した流れ特性を確保し、周囲の防音にも配慮しています

風流舎

■計測胴

W2.75m×H2.5×L8mのクローズドセクションを持ち40~50%スケールの自動車模型の試験が可能です。側面は視認性に優れたガラス張りとなっており、大きな開口扉により模型の搬入出も容易です。

風流舎

■縮流胴

縮流比 8.3:1 とし、良質な流れを作り上げています。また縮流胴前方に配置したチラーにより年間を通じて25±3℃で試験可能です。

風流舎

■クーリングシステム

年間を通じて25±3℃(風速45m/s時)という、安定した計測を行うのに十分な気流温度制御が可能なクーリングシステムを装備しています。

風流舎

■ムービングベルト

計測胴下面に幅2m・長さ5.5mのムービングベルトを装備し、最大60m/sで運転可能です。前方の境界層吸込装置と併用することで、実走行に近い環境を再現できます。また、±4°の偏揺角試験にも対応可能。

風流舎